神様の憂鬱
「でもねぇ」

とボクは呟く。

「最近はまぁまぁだとおもうんだよね。

紗良奈、ボクに対してあんまり怒らなくなったし。そうそう、聞いてくれよ」

「なんでございますか?」

「今朝さぁ、紗良奈が寝ているのを見てたのね。

ま、毎日見ているんだけど、今日は特別なことがあったんだ」

天歌が微笑を浮かべて、ただ言葉の続きを待つ。

「いつもだったらさ、目が覚めたときにボクが見ていると怒るから、

そそくさと隣の部屋に移動するんだけど、今日はそのままそばにいたの」

そしたらね、ボクが言うと天歌が頷く。

「怒らなかったんだよ、紗良奈が」

「おや、どうしてですか?」

「わかんない。怒られるのは覚悟していたんだけど、ボクはね」

「怒られたかったんですか?」

天歌が真面目な顔して聞いてくるので、

「そうじゃないよ」

と答える。

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