神様の憂鬱
カリカリという音が小さく響く。

ボクは、ソファーに寝そべってその音をただ聞いていた。

話しかけるタイミングがつかめなくて、3杯めのコーヒーも空だ。

彼女が仕事をしはじめて二時間ほどたつ。

締め切りが近いらしくて夢中みたい。

だからこそ、余計に邪魔してはいけないように感じる。

もうそろそろ終わるかな?

それまで待ってから聞けばいい。

そうは思うけれど、たいくつで仕方がない。

早く聞きたくて、心のもやもやを解消したくて、我慢の限界が近いようだ。

そもそも、神様たるボクは我慢なんてしたことがないのだから。

慣れていないんだよね。

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