神様の憂鬱

もしも神様に会ったなら……?

「ダメだったよ」

社の上に腰掛けて、呟いた。

「ダメもダメ。ぜんぜーんダメ」

「そうでございますか」

天歌が残念そうに目を伏せる。

「あの者は?」

「寝てる。いや、寝かしてる」

どうでもいいことを訂正して、ため息をひとつついた。

涙を拭った指先は、とうに乾いている。

けれどボクの頭には、その悲しさがまだこびりついて離れない。

この気持ちはなんなのだろう。

彼女が涙を流すのが悲しい。

それをどうすることもできずにいる自分が悔しい。

力さえ使えれば――。

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