神様の憂鬱
『なんだコイツ?』

口には出されていない男の思念が頭に流れ込んできた。

「『人間って』。おまえだって人間だろ、偉そうに」

鼻で笑うように、男が言った。

「一緒にして欲しくないね、おまえたちみたいな下等な生き物と」

「んじゃ、おめぇは何様なんだよ? あ?」

胸倉を掴もうと腕を伸ばしてきた。

ボクは、また一歩後ろに下がりそれを難なくよけた。

「ボクかい? ボクはねぇ、神様だよ。知ってるだろ?」

「知らねーよ」

紗良奈を掴んでいた男が噴出しながら答えた。

「頭、おかしーんじゃねーのか?」

もう一人の男に、笑いながら、なぁと同意を求めている。

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