神様の憂鬱
「きみの言いたいこともわかるよ。

もちろん、ボクがまだ出会えていないのかもしれない。

たまたま、まだ巡り会えていないだけなのかも。

でもね、ボクはもう疲れてしまった。飽き飽きしてるんだよ。

彼らは、何も変わらない。

何度やり直しをさせてみても、必ず最後には同じ過ちを繰り返す」

「そうやって、人間は成長を重ねていくのですわ」

「そうかもね――たしかに君の言う通りかもしれない。

少しずつ、少しずつ変わっていくのかもしれない。

ただね、ボクはそういう人間とは出会えなかった。

この何百年の間、すっと」

今まで出会ってきた人間たちを思い出し、ますます気分が落ち込んでくる。

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