神様の憂鬱
「天歌」
小石の山を見下ろしながら、小声で名前を呼んだ。
「ここにおります」
隣に天歌が腰をおろした。
物音ひとつしなかった。
まるで、この世界が今だけ止まってしまったかのように。
慰めてくれる小鳥たちも、今は眠っている。
紗良奈がベッドで眠っているのと同じに。
「全部、知ってたんだろ?」
「全部――ではございませぬ」
いったん言葉を区切り、
「半分よりほんのちょっと多いぐらいでございます」
と言った。
「そう」
ボクはそれ以上追求することなく、再び小石を救って落としはじめた。
小石の山を見下ろしながら、小声で名前を呼んだ。
「ここにおります」
隣に天歌が腰をおろした。
物音ひとつしなかった。
まるで、この世界が今だけ止まってしまったかのように。
慰めてくれる小鳥たちも、今は眠っている。
紗良奈がベッドで眠っているのと同じに。
「全部、知ってたんだろ?」
「全部――ではございませぬ」
いったん言葉を区切り、
「半分よりほんのちょっと多いぐらいでございます」
と言った。
「そう」
ボクはそれ以上追求することなく、再び小石を救って落としはじめた。