神様の憂鬱
「わかったよ。無理だよ。ボクにはもうできそうもない」

天歌がうれしそうに微笑むのが、見なくてもわかる。

仕方がない、ボクはまたため息をつきながら言った。

「紗良奈が死ぬまでは待つことにするよ。

この世界をどうするかは、その時に改めてまた考える」

「あら、お忘れですか? 人間は、子供を産むものですよ? 

紗良奈の魂を分けた子は、彼女が死しても生きていくものです。

そして、その子もまた子を産む。

あなた様は、紗良奈が愛する子や、その子が愛する子を奪うおつもりですか? 

この世界ごと、壊してしまうおつもりですか?」

ボクは、思わず苦虫を噛み潰したような顔をしてしまう。

そしてまた、ため息が漏れた。

ただそのため息は、それほど悪いものではなかった。

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