神様の憂鬱
まぁいい。

ボクは心の中で呟いた。

時間はいくらでもある。

なにせボクは神様なんだから。

時間なんてものは、有り余るほど持っているし、文字通り無限に近い。

青い空の上から、紗良奈の横顔を見て考えた。

これでしばらくは退屈しないですむだろう。

そしてまた、彼女が彼女のような子を産めば――

少なくとも、それを見ているうちは楽しめそうだ。

それを待ってみるのもいい。

たまにはコーヒーを飲みに行ってもいいかもしれない。

今まで、イヤと言うほど退屈な時間を過ごしてきたわけだし。

ボクは微笑んで眼下(がんか)を見下ろした。

ボクの見る世界は、決して青くはない。

たくさんの人間が、所狭(ところせま)しとうごめいている。

そしてそこにはいつも、

やわらかく微笑む一人の女性がいる。



FIN
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