神様の憂鬱
その心の中の声を、天歌は聞き取ったのだろう。

表情を、より一層悲しく染めた。

「そのお気持は、わかります」

一言だけ、優しく呟いた。

木々にとまっていた小鳥たちが、悲しげな鳴き声をあげる。

ピーピーと。

その何匹かがやってきて、ボクの肩に腕にとまった。

耳元で、ピーピーと鳴く。

その時がきたら、ボクはこの子たちもまきぞえにしなくてはいけない。

神だけを残し、全てを無に返すのだから――。

それは、少し忍びなかった。

けれど、それも仕方のないこと。

そう割り切れる自分もいた。

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