神様の憂鬱
「ま、いいわ」

彼女が少しだけボクに近づいてくる。

「変な人だけど、悪さをしそうな感じには見えないし」

「しないよ、悪さなんて」

ボクが言うと、

「ほんとね?」

彼女が訊いてきた。

だからボクは、うんうんと何度か頷く。

「変な人なんかじゃないから」

むしろ、人ではないんだけどね。

その言葉は天歌に向けて。

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