神様の憂鬱
「あなたは、ここで何をしているの?」

幾分警戒を解き、彼女が言った。

「ボク? ボクは君を待っていたんだ」

「だから、どうして?」

「君の助けになりたいからだよ」

「わたしの?」

「そう、君を救いたいんだ」

「神様――だから?」

「そう、神様だから」

ボクは真剣に言っているというのに、彼女は「はいはい」と呟いて苦笑い。

また少し、人間が嫌いになりそうだ。


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