神様の憂鬱
一羽の小鳥が、チュルリ、チュルリと鳴いた。

それを合図に、小鳥たちが飛んできた。

ついさっきまで、ボクが遊んでいた鳥たちだ。

彼らはボクの上を飛び回り、美しい声で鳴きはじめた。

そのうちの一羽が、沙良奈の肩に舞い降りる。

小さな足でピョンピョンと跳ね、黄色いくちばしで彼女の手のひらをつつく。

天照(あまてらす)みたいだね。

そう思いながら、ボクは彼らの行動を見守った。

小鳥たちは次々と彼女の周りに舞い降りて、気を引こうとさえずりはじめる。

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