神様の憂鬱
「すごい」

紗良奈が、目を見開いて口元に手を当てる。

「あなた、鳥使い?」

そんなことを訊いてくるので、

「そうだよ」

と答えておいた。

彼女は、それで納得したのだろうか。

「そうなんだ」

と呟き、

「すごいわね」

と言った。

褒められて少しだけうれしくなる。

「もっと呼んであげようか? 世界中の鳥たちを」

『主様』

とがめるようなコエで、天歌が言う。

わかってるよ、冗談だってば。

紗良奈は、ボクがふざけているとしか思っていないようだ。

ボクの発言に対して、何も返してこない。

よかった。

呼んで、なんて言われたらどうしようかと思ったよ。

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