神様の憂鬱
「あの、だからですねぇ。

あなた様を見込んで、もう一度だけ俺の頼みを聞いてくれないでしょうか?」

ボクは、真っ直ぐに男を見つめた。

同時に男の心の中、頭の中を覗き込む。

そこに映るのは、見たくないもの聞きたくないものばかり。

不衛生なものばかりだ。

見なけりゃ良かった。

心の中で呟いて、満面の笑みを浮かべた。

男の顔が、一層醜いものへと変わる。

そしてボクは、一言告げた。

『最悪』と。

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