神様の憂鬱
さーてと、今日はどう攻めてみようかな?

作戦を立てはじめたボクに彼女が言った。

「あなた、毎日毎日ここにいるけど、家は近いの?」

「家? 家って?」

「住んでいるところは?」

「さぁ? 最近はここら辺にいるよ」

「じゃあ、引っ越してきたばかりなのね」

ひとり納得したように彼女が呟く。

ふむ、そうともいえる。

「お仕事は?」

「してるよ」

「そうじゃなくて――何をしているの?」

ふーむ。

なんと言えばいいのだろう?

神様だと言ったって、どうせまた信じてもらえないだろうし。

< 70 / 200 >

この作品をシェア

pagetop