神様の憂鬱
散々考えて、

「見守る仕事」

と答えた。

「警備の仕事なのね?」

「ああ、そうだね。そんなところ」

言葉に近いものを感じ、頷いておく。

「でも、そんな警備の人が、こんなところで遊んでいてもいいの?」

「んー、いいのいいの。こうやっているのも仕事のうちだし」

「そうなの?」

「そうそう」

「本当に?」

彼女はくどいくらいに訊いてくる。

だから、

「ボクのことはいいよ。それより、きみの事を聞かせておくれ」

笑顔でそう告げた。

すると――

「わたしのことなんて聞いてもつまらないわ」

彼女は一瞬にして冷たい表情に変わる。

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