神様の憂鬱
しばらく、そのまま見つめあっていた。

というよりも、どちらも動けないでいた。

だから、ボクは譲歩案を提出することにした。

「きみさぁ」

「なによ?」

彼女は、挑むように聞いてくる。

神様相手によくやるもんだよ、まったく。

「ここに毎日お参りに来るぐらいだから、弁財天、好きなんだよねぇ?」

話の筋が見えないのだろうが、彼女は一応頷いた。

しめしめ、だ。

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