神様の憂鬱
ふふん、やったね。

ボクは心の中で、自分の勝利を確信した。

あとは――

社の上の天歌に視線を送る。

わかっているよねぇ、と。

けれど天歌は、嫌です、というように首を振った。

へぇー、ボクの頼みを断るんだ。

なら、ボクにも考えがあるよ。

彼女はボクのコエを読んでいるようだ。

少しずつ、その顔つきを神妙なものへと変えていく。

だから、ボクはわざと声に出して言った。

「壊すよ、今すぐ。この世界を」

『わかりました』

諦めの混じったコエが頭に響く。

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