神様の憂鬱

コーヒーというもの

「ここが紗良奈の家なのかい?」

部屋に上がるなりうろうろしはじめたボク。

「あんまり動き回らないで」

紗良奈が困ったように告げてくる。

けれどボクはフルシカト。

好き勝手に歩き回り、いたるところを開けていく。

「ダメだってば!」

木でできたタンスを3段目まで開けたところで腕を掴まれた。

だからボクの探検はそこで終了。

続きはまた次の機会に。

「ここにおとなしく座ってて」

ボクをクリーム色のソファーに押さえつけるように座らせ、キッチンに立つ。

後姿を見ていてもわかるよ。

ちょっぴり怒っているみたい。

人間は怒りっぽいよね、ほんと。

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