神様の憂鬱
「熱いから、気をつけてね」

真っ黒な液体の入ったコップを渡された。

それを受け取ってコクコクと飲んでみる。

「あっ、まだ熱いって」

焦ってボクからコップを取り上げようとする。

だけど――

全部そのまま飲み干してしまった。

熱いのなんて、ボクには関係ないからね。

なんていったって、神様なくらいだし。

「ちょっとー。大丈夫なの? 火傷したんじゃない?」

彼女が空になったコップを見つめ、真剣に聞いてくる。

「んー、平気。けど、変な味」

呟いて、べーっと、ベロを出す。

彼女はボクの舌を数秒見つめ、

「平気みたいね」

と息をついた。

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