神様の憂鬱
「紗良奈は、飲まないの?」

湯気の立ち上るカップを見つめ、聞いてみる。

「とんでもない」

呟いて、

「猫舌だから」

と首を振った。

「猫舌って、なに?」

「熱いものが苦手ってことよ」

「ふーん」

よくわからないけど、とりあえず納得した振りをする。

で、

「もっとちょうだい」

「おいしくないんじゃなかったの?」

「変な味だけど、気に入った」

笑顔で告げると、

「いいけどね」

残っていたお湯で、もう一杯入れてくれた。


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