神様の憂鬱
だとしたら――

シャワーとやらも、気持いいのかもしれない。

そう思いはじめると、だんだんシャワーが気になってきた。

起き上がって水音のするほうへ向かう。

ドアのノブを掴んで捻ってみるが、鍵がかかっているようだ。

「紗良奈ー。さーらーなぁー」

「なにー?」

こもった声が返ってきた。

「どうかしたー?」

奥のほうで、ガシャンと音がする。

この中にも、もうひとつ扉があるようだ。

「なに? 急用なの? 

いま頭洗ってるから、あとにしてくれる?」

先程より、近い場所で声が聞こえる。

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