神様の憂鬱
「これ、どうやってやるの? その――シャワー?」

「捻れば出るわよ」

「どこを?」

「あー、もうっ!」

ひときわ大きな声が聞こえた。

「シャワーはわかる?」

「長いやつでしょ?」

「そうよ。で、その根元のほうに丸いのがあるの。わかる?」

「青と赤がついているやつ?」

「そうそう、それよ。それを右に捻ってみて」

言われたとおりに捻ってみた。

頭の上からお湯が降ってくる。

「出たー! 出たよ、紗良奈」

「そう。よかったわね」

疲れたような声で、彼女が呟いた。

< 93 / 200 >

この作品をシェア

pagetop