神様の憂鬱

彼女の憂鬱

結局、紗良奈は隣の部屋に消えていった。

「そこで寝てね」

ソファーを指差して、そう呟いただけで。

だからボクは、ひとりでごろごろしている。

暇すぎてテレビにも飽きてしまった。

紗良奈は、もう寝てしまったのだろうか?

時計見ると11を過ぎたところ。

人間の時間で言えば、11時15分。

この世界の半分くらいの人間は眠る時間だ。

「起こすと、また怒られそうだしな」

呟いてまたごろりと転がる。

床に落ちそうになって、ふわりと浮かんだ。

元いた場所に落ち着いて瞼を閉じる。

ぜんぜん眠くない。

というよりも、眠る必要なんてないのだから眠れない。

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