年の差、恋の差。
『なんで部活に来ないのっ!?』

『パートの子も心配しているよ?』

『マーチング、どーするの?』

うるさい、うるさい。


毎日部員から来るメール。
『部活に来い』とのメール。

何も知らない癖に。
勝手なことばっか。
私が理由なしに部活に来ていないわけじゃない。


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私は小学生の頃から吹奏楽に入っていた。
それから中学に上がっても続けた。

中学では私はミスをしっぱなしで毎回先輩に3対1で呼び出され、いじわるばかりされていた。
先生だって怖かったし、意地悪してくる先輩も大嫌いだった。


けど、『辞めたい』なんて思ったことなかった。
皆、コンクールでの金賞を目指し頑張ってて、弱音を吐く人なんていなかった。
皆が皆頑張ってた。


でも、高校に上がって変わった、


練習はしない、弱音は吐く、権力に頼る、先輩ぶる、うわべ関係…。


絶望だった。

周りが真っ暗。
音にさえ、光がない。
泥沼、もがいても、もがいても何もできない。


まだ高1のときはよかった。けど、高2になった瞬間より悪化した。
このとき初めて『辞めたい』という感情がふつふつとわきあがってきた。


けど、〝アレ〟を終えるまでは辞めることはできない。



―――職業体験で行った『老人ホーム』の訪問演奏。


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