非 常 階 段





「 痛っ・・・。」


「 きゃはは、痛いんだってー! 」





嬉しそうな声を上げて、西条の方を見る取り巻きの女子達。
だが、当の西条は対して面白くもなさそうに此方を見ている。
西条と目が合い、睨みつければ、その瞳に冷酷な光がさした。






「 ・・・・何だよその目。」





そう言うと席を立ち此方に歩み寄る西条。
あたしの目の前で歩みを止めると、目線を合わせるようにしゃがみ込む。
そして・・・・あたしの頭上から飲みかけのジュースを掛けた。
ぽたぽたと髪から水滴が落ちる。
其れを見て西条は満足げな笑みを浮かべる。






「 あーあ、ジュースなくなっちゃった。誰か買ってきて。」





西条がそう言うと取り巻きの1人が駆けて行った。






「 俺に逆らってんなよ。」





あたしの耳元でそう言うと、西条は自席へ戻っていく。
取り巻き達もそろそろHRが始まるせいもあり、自席に座っていく。
そんな中で、あたしは1人、教室を飛び出した。





此れが、あたしの日常。






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