♀乙女座と吸血奇術師♂~ヴァルゴトマジカルヴァンパイア~
-「前代未聞、最優秀賞無し!浅野由芽彦を夢中にさせた、幻の佳作賞!」
…こう、浅野氏は語っていた。
『…まあ、正直な話、輝きの魔術だなんて大げさな、とは思っていたんです、僕はね。
だからこそ、こういう作品に出会えた事への感激は大きいわけです…
…難しいなあ。どう言えば分かってもらえるかが。
その、何です、誰もがそれを見れば、ああ、良いなあって。
理屈じゃないんです。
一目惚れ?
そう、あなた良い事言うねえ。
本当に素晴らしい作品に出会ってしまった時の気持ちって、恋愛に似てるのかも…
…最優秀賞?彼女達は、まだこれで完結する様な、小さな器じゃないですよ。
まだまだもっと、高みに上っていきます。
それだけの物を持っている。
そうだなあ、佳作…
いつか、日本を超えて世界に向けて羽ばたいていってもらう為に、あえて佳作賞を与えたいと思います…』-
「…要は、この二人、最優秀賞以上の賞を出しちゃった、って事でしょう?礼士先輩?」
「日本を代表するプロの画家を、本気にさせちゃっただなんて、格好良すぎじゃない、ねえ、ハルちゃん…」
「じゃあ、またねハルちゃ…ん!?」
辺りはすでに暗く、校門を出て、帰路に着こうとする礼士の左腕を、ギュッと両手で抱き締め捕まえた春子。
「これから、どこか寄りません、礼士先輩?
私何だか、もう少し先輩と、今日と言う日を共有していたくって…」
「は、ハルちゃん…
あ、あの、その…」
「あの、その、何ですかあ?
はっきり、言って下さいよお~っ。」
「…もう、そんなに黙り込まないで、何か言って…」
「…そうだね。今回は良く、僕の仕掛けたトリックを見破ったよ、えらい、えらい。
これはご褒美だよ…」
礼士の右手はそっと、春子を礼士の方へと引き寄せた。
「えっ?あ、あの、礼士先輩?
こ、こんな所で…」
礼士の唇が、春子の唇へと、どんどん迫ってくる。
春子は、顔を赤らめながらつぶやいた。
「良く見破った、えらいだなんて、照れちゃう。
良く僕の仕掛けたトリックを…
…ですって!
まさか、今のアナタ!」
…こう、浅野氏は語っていた。
『…まあ、正直な話、輝きの魔術だなんて大げさな、とは思っていたんです、僕はね。
だからこそ、こういう作品に出会えた事への感激は大きいわけです…
…難しいなあ。どう言えば分かってもらえるかが。
その、何です、誰もがそれを見れば、ああ、良いなあって。
理屈じゃないんです。
一目惚れ?
そう、あなた良い事言うねえ。
本当に素晴らしい作品に出会ってしまった時の気持ちって、恋愛に似てるのかも…
…最優秀賞?彼女達は、まだこれで完結する様な、小さな器じゃないですよ。
まだまだもっと、高みに上っていきます。
それだけの物を持っている。
そうだなあ、佳作…
いつか、日本を超えて世界に向けて羽ばたいていってもらう為に、あえて佳作賞を与えたいと思います…』-
「…要は、この二人、最優秀賞以上の賞を出しちゃった、って事でしょう?礼士先輩?」
「日本を代表するプロの画家を、本気にさせちゃっただなんて、格好良すぎじゃない、ねえ、ハルちゃん…」
「じゃあ、またねハルちゃ…ん!?」
辺りはすでに暗く、校門を出て、帰路に着こうとする礼士の左腕を、ギュッと両手で抱き締め捕まえた春子。
「これから、どこか寄りません、礼士先輩?
私何だか、もう少し先輩と、今日と言う日を共有していたくって…」
「は、ハルちゃん…
あ、あの、その…」
「あの、その、何ですかあ?
はっきり、言って下さいよお~っ。」
「…もう、そんなに黙り込まないで、何か言って…」
「…そうだね。今回は良く、僕の仕掛けたトリックを見破ったよ、えらい、えらい。
これはご褒美だよ…」
礼士の右手はそっと、春子を礼士の方へと引き寄せた。
「えっ?あ、あの、礼士先輩?
こ、こんな所で…」
礼士の唇が、春子の唇へと、どんどん迫ってくる。
春子は、顔を赤らめながらつぶやいた。
「良く見破った、えらいだなんて、照れちゃう。
良く僕の仕掛けたトリックを…
…ですって!
まさか、今のアナタ!」