♀乙女座と吸血奇術師♂~ヴァルゴトマジカルヴァンパイア~
「?」
春子は、不思議に思って、その少女の注目する方向に目をやると、四、五人の生徒のグループが、何やら熱心にある方向を見つめている様子がうかがえた。
よくよく見ると、その生徒達は、ある一人の少女が絵を描く様子を、その少女を取り囲むようにして眺めている事が分かった。
「…あ、あれ?あの人どこかで…」
「ハルちゃん、もしかしてあの人、『輝きの魔術師』じゃない?
ほら、うちの学校の美術部員で天才少女と呼ばれている、ええと、確か名前が…」
「雪野…恵。みんなからちやほやされて舞い上がって天狗になっちゃってる、イヤな、奴。
…私より下手なくせに。」
「あっ、とうとう出るぞ!魔術師のナイフが!」
そのグループの男子生徒の一人がそう言うと、輝きの魔術師こと、雪野恵が緑色の巾着から取り出したのは、小柄な果物ナイフだった。
それを見て、ポニーテールの少女は、眉間にしわを寄せて吐き捨てる様に言った。
「たかが美術の時間の提出物に、その技持ち出す?
どこまで自分はすごいですよって、アピりたいのよ、アイツ!」
「あ、あの~、さっきからアンタ、あの人の事、ボロクソに言ってるけれど、彼女と何か因縁でもあるの?」
「かっ、関係ないでしょ!何よアンタ…」
その言葉を受けて、ポニーテールの少女は、すごい剣幕で春子に食ってかかろうとしたが、春子が驚きの余り、とっさに持っていた自分の絵の描かれていたボードをポニーテールの少女の目の前に突き出すと、その少女は硬直して、ボソッと何かをつぶやくと、気が抜けたみたいに落ち着いてしまった。
-わっ、私の絵は鎮静剤かっ!
くっそ~、聞こえたわよアンタ!
アンタの怒りが落ち着いちゃうぐらいヘ○クソで、悪うござんしたっ!-
そんな春子とポニーテールの少女のやり取りが行われていたその時、突然事件は起こった。
春子は、不思議に思って、その少女の注目する方向に目をやると、四、五人の生徒のグループが、何やら熱心にある方向を見つめている様子がうかがえた。
よくよく見ると、その生徒達は、ある一人の少女が絵を描く様子を、その少女を取り囲むようにして眺めている事が分かった。
「…あ、あれ?あの人どこかで…」
「ハルちゃん、もしかしてあの人、『輝きの魔術師』じゃない?
ほら、うちの学校の美術部員で天才少女と呼ばれている、ええと、確か名前が…」
「雪野…恵。みんなからちやほやされて舞い上がって天狗になっちゃってる、イヤな、奴。
…私より下手なくせに。」
「あっ、とうとう出るぞ!魔術師のナイフが!」
そのグループの男子生徒の一人がそう言うと、輝きの魔術師こと、雪野恵が緑色の巾着から取り出したのは、小柄な果物ナイフだった。
それを見て、ポニーテールの少女は、眉間にしわを寄せて吐き捨てる様に言った。
「たかが美術の時間の提出物に、その技持ち出す?
どこまで自分はすごいですよって、アピりたいのよ、アイツ!」
「あ、あの~、さっきからアンタ、あの人の事、ボロクソに言ってるけれど、彼女と何か因縁でもあるの?」
「かっ、関係ないでしょ!何よアンタ…」
その言葉を受けて、ポニーテールの少女は、すごい剣幕で春子に食ってかかろうとしたが、春子が驚きの余り、とっさに持っていた自分の絵の描かれていたボードをポニーテールの少女の目の前に突き出すと、その少女は硬直して、ボソッと何かをつぶやくと、気が抜けたみたいに落ち着いてしまった。
-わっ、私の絵は鎮静剤かっ!
くっそ~、聞こえたわよアンタ!
アンタの怒りが落ち着いちゃうぐらいヘ○クソで、悪うござんしたっ!-
そんな春子とポニーテールの少女のやり取りが行われていたその時、突然事件は起こった。