元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
「…うるさい。近所迷惑なんだけど。」
不機嫌そうな顔でコチラを見るのは、麗華の弟、翔哉くんだった。
「…翔哉。アタシにそんな口きいて良いと思ってるのかしら?」
「はぁ?何言ってんの?」
ジローっと睨み合う麗華と翔哉くん。
「…た………のよ?」
「!!」
ボソボソと、麗華が翔哉くんの耳元で何かを言ってる。
こっちまでは聞こえなくて、私は思わず首を傾ける。
「…チッ、分かったよ。」
「ふふふ。流石アタシの弟。聞き分けが良くて助かるわぁ♪」
不機嫌な翔哉君を横目に、麗華は嬉しそう。
この数分間で、何があったんだろ。
麗華と翔哉くんのテンションの差がひどすぎる…