元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
結局私たちはチャイムに間に合わず…。
理科室についたのは、チャイムがなってから数分後のことだった。
「授業に遅れるんじゃないっ!バカもんっ!」
「ったぁ!」
案の定、バシッ、と頭を叩かれる。
叩いたのは、言うまでもなく理科の先生。
叩かれた衝撃で思わず目に涙が溜まり、俯いてしまう。
その横でめぐるは…
「いっったいな!もう!これだからじじぃは!」
「な、なんだと!?」
…先生に反抗中。
めぐる、と声をかけて止めようとするが、その前にめぐるが先生に反抗するのでいうにも言えない。
「生徒を叩くなんて!!そんなことしてるから禿げるんだよ!」
「なっ!ま、まだ禿げとらん!」
「そういうことは鏡見てから言え!ばぁーか!!」
禿げてる、禿げてないと言い合いをする2人。
そんな二人をハラハラと見つめる、私とクラスメイト達。
チャイムなってからもう大分時間経ったんだけとな…。
授業、終わっちゃうよ。先生。そう言いたいけれどあんな怖い迫力を出して言い合いしている二人の間に入っていくだなんて私には無理。できないよ!!
間に入った瞬間、先生のこわーい目線で射殺されそう。ダメだ、これは。放っておこう、うん。
(この時確かに、クラスメイト達の心は一致した。)