元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
君の名をもう一度




【桜side】




麗華の家でパーティをした翌日。
今日は、木曜日だった。


「…はぁっ、はぁ…っ」






私は今、全力疾走している。

理由は簡単。



「遅刻っ、する〜!!」



遅刻しそうだから。





いつもはしない寝坊を、今日に限ってしてしまった。




もう門閉まっちゃってるかなぁ…?


不安に思いながらも、走る足を止めることはない。




暫くして、ようやく学校についた。



「良かった、閉まってない!」



思わず歓喜の声をあげる。

門は閉まっていない。だけど、遅刻した事に変わりはない。


つまり、怒られる…。


お説教ヤダなぁ。


うちの高校は、生徒が遅刻して先生に怒られるということがない。変だと思うけど、それはうちの高校が不良高だから、らしい。


だから、先生に怒られることはないんだけど…。



それは先生”に”で怒られないだけ。




私の場合、麗華に怒られる。



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