元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
「……っは、」
苦しくてもがいて。
それでも、一度落ちた闇はもう2度と這い上がれない。
全部、フラッシュバックして。
「もう…っ、私に関わるのはやめて…!また捨てられるのは嫌…っ」
彼女の悲痛な叫び声も。頬を滴る涙も。
全部が僕を縛る。
彼女がこんなにも傷ついていた事も。
僕がこんなにも後悔していた事も。
「…っもう、行くね!」
今になって、初めて気付くなんて。
「…っ!」
嫌だ、なんて。
言いたい。けど、言えない。
この関係を終わりにしたくない僕。
だけど仲間を見捨てれない僕。
矛盾してるんだ。
「……さっ…」
喉元まで出かかった言葉。
その続きは、言えないよね。
言ったら、いけないよね。