元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー

最後の忠告

【麗華side】




＿＿＿＿「好きだよ、桜」




聞いて、しまった。


聞くつもりはなかったんだけど。




「……っ!?」




あの子…あたしの親友は酷く驚く。


”アイツ”はこっちに背中を見せているから表情は見えないけど。

きっと、自分でも困惑気味なんでしょうね。


…所詮、そんなもんなんでしょ。




「……あ、…っ…」



「何を言っていいのか分からない」。
そんな顔をする桜。


桜の困った顔を見ていると腹が立つ。

桜はあたしの親友だから。
あの子を傷付けられることは絶対に避けたい。

困った顔だって、させたくないの。

今すぐ飛び出していってあの子を救いたいとこだけど。

…ごめん。それはできないのよ。

だって、今出たら、余計困惑してしまうでしょう？