元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
何もできない自分が憎い。
腹が立って仕方が無い。
あの子の親友はあたし。
なのに、何もしてあげられない。
あたしはいつもあの子に貰ってばかり。
なんてことない日常だって、あたしにとっては大切な宝物。
前はこんな日常有り得なかった。
でも、それをくれたのはあの子。
あたしに”平凡”と”幸福”をくれた。
ねぇ、桜。
隣でいつも笑っていられるのはね、桜のお陰なのよ。
あたしはいつも、桜に感謝してるのよ。
あの日、あの時…あたしを救ってくれたのは桜だから。
あの日、最後に一度だけ涙を流したとき。
誓ったの。”この子の傍にいようって。この子を一生守ろうって。”
誓ったのに……
あたしは結局、何もできない。