元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
「ほんっとにごめん!どうしても外せない急用ができて…」
顔の前で両手を合わせて謝る麗華。
急用、かあ…。
仕方ないよね。
「…大丈夫、気にしないで。また今度、行こ?」
私は笑って麗華に言う。
ホントはすっごく楽しみにしてたけど。
私のワガママで麗華を困らせるわけにはいかない。
「また今度埋め合わせするから!」
「うん」
「じゃあね!気を付けて帰るのよ!」
「…はあい。」
もう子供じゃないんだから、と苦笑いする。
麗華は、私のお母さんみたい。