元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
嘘つきヒーロー
【桜side】
「…ん、」
日差しが眩しくて、目を開ける。
「痛っ…」
起き上がると頭痛がする。
私は頭の痛みを紛らわせようと、別の事を考える。
「此処、どこ…、」
「あ、起きた?」
「っ、」
自分以外の誰かの声が聞こえてきて、思わず肩を揺らした。
「仁、くん…?」
なんで、と聞こうとしたが、その言葉は仁くんに遮られた。
「良かった~!このまま目覚めないかと思ったよ…」
仁くんはホッ、と息をつきながら胸を撫で下ろす。