元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
「櫂。ポッキー1本くらい良いだろ?分けてやれよ」
「でも!」
「言い訳しない。…伊織も、お菓子無断で食うなよ。」
「…分かった」
「はーい」
櫂と伊織を宥める。
納得したらしい二人は、やっと大人しくなった。
「しゃーねぇからポッキー1袋分けてやるよ」
「しゃーねぇからってなんだよ!要らねえ!」
「俺の優しさを無駄にする気か!?」
「上から目線で言ってる奴のどこが優しさなんだよ」
「はぁぁ!?伊織のクセに生意気!」
「”伊織のクセに”ってそれ差別じゃねぇの?」
「………うるせぇ!」
「あ〜、出た出た。言うことなくなったら”うるせぇ!”しか言えねぇ奴。」