元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー





聞くだけで野蛮な言葉。


男を引きずりながらって、どういうことだよ…




「とにかく、下の方に来てください!!」


眉を下げて訴える篠原。


だよなあ、早く行かないとな…



「蓮、」


チラ、と蓮の方に視線を向ける。



「……分かってる。おい、篠原」



「は、はいっ」




僕の言いたいことがわかったのか、言い終わる前に蓮が答えた。


急に名前を呼ばれた篠原は大袈裟に肩を揺らす。


大袈裟、ではないか。


蓮の威圧が凄いから。




「下の奴らは騒ぐだろうから、お前が冷静な対処をとるよう呼びかけろ。」



「お、俺が、ですか…っ!?」



目を見開いて驚く篠原。



まあ驚くのも無理はないだろう。



対処をするのは普段、幹部以上だからな。


< 234 / 355 >

この作品をシェア

pagetop