元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
聞くだけで野蛮な言葉。
男を引きずりながらって、どういうことだよ…
「とにかく、下の方に来てください!!」
眉を下げて訴える篠原。
だよなあ、早く行かないとな…
「蓮、」
チラ、と蓮の方に視線を向ける。
「……分かってる。おい、篠原」
「は、はいっ」
僕の言いたいことがわかったのか、言い終わる前に蓮が答えた。
急に名前を呼ばれた篠原は大袈裟に肩を揺らす。
大袈裟、ではないか。
蓮の威圧が凄いから。
「下の奴らは騒ぐだろうから、お前が冷静な対処をとるよう呼びかけろ。」
「お、俺が、ですか…っ!?」
目を見開いて驚く篠原。
まあ驚くのも無理はないだろう。
対処をするのは普段、幹部以上だからな。