元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー




「何があった」



「………」



「答えろ、渉」




威圧感のある声で言い放つ蓮。


”何があった”、その言葉には、きっと
色んな意味がつまってる。


みんなが聞きたい事を、蓮が代表として聞いている。




「……」



それでも渉は、始終無言で。



「黙ってても、何も始まんねぇぞ」



「…っ」



蓮がそう言ってやっと、渉が反応を見せた。


苦虫をかみつぶしたような顔をしたあと、ゆっくりと口を開いた。




「………っこの男が、」







―――さぁ、全てを知る、幕開けだ。






(その言葉に、絶句した)







< 243 / 355 >

この作品をシェア

pagetop