元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
ブルっ、と寒気が襲ってきたので早めに切り上げることに。
もう茶番はお終いね。
少し残念なきもするけど、と。
密かに笑ってみせた。
でもその笑ははすぐに変わる。
「…ふんっ、もういいわ。…それより、」
あたしの目の前の―――修哉に問いかける。
「一体何処に行っていたのかしら?」
あたしは、口だけ口角をあげて修哉に微笑む。
この笑が意味有りげなのに気付いている修哉は、真剣な目であたしを見返してくる。
ふぅん…流石はあたしの弟。
生意気なのはいけ好かないけど、ちゃんとわかってんじゃない。
修哉はしばらくの無言の後、あたし達に背を向けて歩き出す。
「……調べ出して、見つけた」
「…そう。」
顔が見えない修哉が、ポツリと一言落とす。
修哉の言ったその意味を、誰も問いかけない。
不思議には思わない。
だって……
―――此処にいる四人全員が、今から成すべき事を知っているから。