元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
その姿を嘲笑しながら仁の頭を下へ下へと力を入れて押していく。
「ちょ、麗華!?首っ、首折れるからっ!」
「あら、折れるようにしてるんじゃない。仁ってばおかしな事言うわね〜」
うふふ〜と態とらしく笑う。
「マジでやめ…っ修哉、翔哉!お前らの姉だろ!何とかしてよ!」
必死になってきた。
この反応が面白いのよね。
助けを求める仁が、双子の名前を呼ぶ。
…そういえば。
翔哉も修哉も居ないわねえ。
さっきまで居たのに。
キョロ、と辺りに視線を配れば、数メートル先に人らしき影が見えた。それも二人。
なんだ。居るじゃない。
それには仁も気付いたようで、
「っ修哉、翔哉!」
目を輝かせながら影を見ている。
ちなみに仁の頭はまだあたしの手で押さえつけられている。