元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー





「……翔哉、修哉、行きなさい」



あたしが命令を下すと、一直線に男達の間へと突っ込んでいく双子。



双子を見届けてから、仁の方へと体を向きなおす。




「仁……じゃなかった。”ナイト”、」





―――ほら早く、




「お好きにどうぞ?」




早く、壊してね




あたしとあの子の為に。





(どうかどうか、バレないで)


(あの子には、バレないで?)











「…久々の喧嘩。腕がなるね?」



「小言は結構よ。」



「う、りょうかーい…。」



「……ナイト。あれがターゲットでなくても、あたし達の敵なら、」


言葉を止め、双子と男達の乱闘に目をやる。

目を鋭く細めた後、言葉を紡ぐ。








「潰しなさい」








―――例えそれが”ターゲット”ではなく、また、”敵”ではなかったとしても。





邪魔者は、イラナイ。





だから、潰すの。








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