元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
嘲笑うように見下せば、闘争心を燃やす男達。
瞳の中で揺らいだ、密かな炎。
それをあたしは見逃さない。
「…っハハハ!」
「……」
思ったとおり、背後から襲ってくる奴。
奇声を発しながら攻撃を仕掛けてくるその姿は、滑稽過ぎて笑える。
なぜならあたしが、潰すから。
振り下ろされる直前のバットを素手で捕まえれば、
「う゛……っ」
そのバットで男の背中に攻撃。
…あーあ。
素手でかかってきたら、素手で返してあげようと思ったのに。
武器を用いて歯向かう男に、素手で、だなんて。
そんなの、釣り合わないでしょ?
なんであたしが態々手加減しなきゃいけないのよ。
この程度の男達に。
まあ…男のお陰で武器が手に入って良かったわ。
「これでハンデは無し。…ね?」