元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
幸福の裏返し
【桜side】
自宅のある、マンションの階段を登りながらかんがえる。
そういえば…、
私が倒れてたのは、この階段の下…なんだっけ。
どうして階段から落ちたんだろう?
足を滑らせた…?
そこまで考えて、足を止める。
……足を滑らせた、だと、妥当な考えだけど。
でも、でも…
頭の中に、違和感が残ったままで…
麗華の家で、仁くんと話している時にも感じた、違和感。
モヤモヤがとれなくて、考えてみるけど…その度に頭痛がして。
「…った」
ほら、今も。
ズキズキする頭を片手で押さえながら、足を進める。