元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー



「…で、桜。アイツらに殴られたりしてない?」


「う、うん。大丈夫…それに、麻里奈ちゃんが助けてくれたし…」



助けてくれた…?麻里奈が?


「あのねっ、来龍に怒鳴られちゃったんだけど…、麻里奈ちゃんが止めてくれたの。『櫂!あたし、もう大丈夫だから…怒らないであげて?』って」


「っ!」


「麗華?」


何よそれ…麻里奈はただ自分が”仲裁に入る心優しいオヒメサマ”になりたかっただけじゃない…!!


「…桜、今度からジュース買いに行く時はあたしもついていくから!!」


「へ?あ、うん?」


どうして急にそんなこと言うんだろう…。




「麻里奈…なにかしてくるつもりかしら。」



麻里奈ちゃん…


私、なにかしたのかな…


あの、最後に言った言葉…













ーーーーー…『これ以上惨めになりたくないでしょう?この優しいあたしが助けてあげたんだから2度と来龍に近づかないでよね』





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