元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
だってあれは、
私が―――
「………っ……、」
―――姫をやめた、ひとつの理由でもあるのに
「なんで、めぐる…分かんないよ…」
「…………桜…、」
めぐるがふと、顔を上げる。
そこにはもう、笑なんて見えなくて。
ただ、哀しいとでも言いたげに顔を歪めるだけで……
「私…、取り返しのつかないことをしたの…。来龍に、」
「襲撃したのよ」
その言葉に、頭が真っ白になった。
考えもしなかったこと。
あの事件―――来龍襲撃に、めぐるが関わってるだなんて、思いもしなかったの。