元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー





「どう、して…襲撃なんか……っ」




「っ、桜を追い出すように仕向けるには!…それしかなかったのよっ」




ふらつく足を堪えながら言葉を紡ぐ。




もう終わりだ、とでも言うように取り乱すめぐる。



襲撃を仕掛けた、その事実を受け止めたくなくて、縋るように口を開く。





「でも…っ、めぐる一人で襲撃なんてできないでしょう…?」




”襲撃なんてしてない”



その言葉を、今どうしようもなく欲している。





だけど、


「言ったでしょ…?”私達3人”で協力したって…」




その期待は脆くも儚く崩れていく。





「……っめぐると、麻里奈ちゃんとっ、…後一人は、誰なの…っ」





教えて。



ねぇ、教えて。





来龍襲撃に関わった後一人は、誰なの?





「っそれは、」




「もう終わっていいでしょお?」






めぐるが言う前に、語尾が伸びた口調で遮った。





「麻里奈ちゃ、ん…」





それは、来龍の現姫。






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