元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
明かされる真実
【桜side】
「めぐるが遅いからあ…。麻里奈が教えてあげるっ」
ふふ、と微笑む麻里奈ちゃん。
心臓が嫌な音を立てる。
「知りたいんでしょ?…ねぇ?」
「っ」
麻里奈ちゃんと目が合う。
冷汗が背中を伝う。
私は咄嗟に目を逸らした。
麻里奈ちゃんの目を見る自信が、私には…ない。
そんな私に、麻里奈ちゃんが不満気に眉を顰めるのが視界に入った。
「…なんで目を逸らすのぉ?失礼じゃなあい?」
「……っごめ、なさ…っ、」
「泣かないでよぉ。ウザイ」
少し低くなった麻里奈ちゃんの声に、肩を揺らす。
目頭が熱くなる。
泣いちゃ、ダメ。
グッと全身に力を入れて、倒れそうになるのを堪える。