元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
「…っ分かっ、た。泣かない。だから、教えて―――」
真実を。
私は、本当の事が知りたい。
今さら私に貼られた裏切り者のレッテルが変わるわけでもないけれど。
そんな過ぎた事をいつまでも考えてたって、何も変わらないから。
今はただ、知りたい。
真っ直ぐ視線で麻里奈ちゃんの瞳を射抜く。
麻里奈ちゃんは怯んだように少し後ずさりをして、
「そんなに知りたいならぁ、教えてあげるぅ。…真実を、ね」
ニヤリ、口角を上げて話し出した。
「…っ」
…大丈夫。
もう、聞く覚悟ができているはずでしょう?
あの頃の弱虫な私じゃない。
そう、自分に言い聞かせるように、胸に手を当てた。