元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
そうしたら、この地域での来龍の居場所はなくなってしまう。
私は、大切な人達がそうなるのはどうしても避けたかった。
なら、私にできることは、
"裏切り者"として最後まで悪役になるだけ。
―――それだけ、だったから。
あの頃の私には、それしか来龍を守れる術がなかった。
なのに…
それが全部、仕組まれていた事だったなんて。
私、なんにも知らなかった。
私へのめぐるの復讐。
麻里奈ちゃんの増悪。
牙のどす黒い欲望。
私にも、原因があったなんて。
私とめぐるの過去が、来龍のみんなを巻き込んだ。